納骨は家族だけでしてもいいの?
今回は、葬儀などが終わった後、焼骨したご遺骨をお墓へ移す「納骨」を
身近なご家族だけで行う際の方法についてご紹介します。
もともと、納骨や納骨式はご家族や近親者だけで行われることも珍しくありません。
さらに最近では、宗旨・宗派不問の民営霊園にお墓を建てる場合、
お坊さんを呼ばずに、家族だけで納骨を済ませるということも増えているようです。
納骨って、どんなことをするの?
「納骨」とは、葬儀が終わってご遺体を火葬した後のご遺骨を一定期間ご自宅に安置した後、
多くは四十九日法要などに合わせてお墓に移す・納めることをいいます。
その際、一般的にはお坊さんを呼んで納骨式・納骨法要を行います。
新たにお墓を建てた場合には、お墓に御霊を入れる開眼法要も同時に行います。
ただし、冒頭でも触れたように、最近では納骨式も行わずに家族だけで
納骨(お墓にご遺骨を納める作業のみ)を行う方も増えているようです。
そもそも納骨する時は誰を呼ぶべき?
納骨・納骨式に呼ぶ範囲は特に決まっていません。
地域の風習やご家族・親族のご意向などによるので
一概にどこまでの親族を呼んだほうがいいとは言い切れないのが正直なところです。
一般的には、配偶者や近親者(直系の親族とその配偶者、お孫さんなど)、
また、親しくしていた友人などに参列していただくことが多いようです。
四十九日法要に合わせて納骨式を行う場合でも、四十九日法要の参列者全員に来てもらわないといけないということもなく、その中で上記に挙げたような近親者だけで納骨式を行うこともあります。
もちろん、多くの人に参列いただければ故人も喜んでくれるかもしれませんが、
無理に参列していただく必要はありません。
葬儀や火葬の場に立ち会うことで、故人を送り出すことはできていますので、
あまり多くの親族を呼ばなければと思う必要はないのです。
納骨式に家族だけが参列する場合
お坊さんを呼んで納骨法要をする際に、家族だけが参列する場合は
どのようなことに気をつければよいでしょうか。
家族だけで行うといっても、お坊さんを呼んで読経などをしてもらう儀式です。
大切な法要だという心構えが大切です。
■ 服装
まず服装について、四十九日法要などと合わせて行う場合は、それに合わせた服装になりますので、
必然的に喪服を着用されていると思います。
一周忌法要に合わせて行う場合は、略式喪服を着用しているかもしれません。
そういった他の法要と合わせてではなく、納骨式のみを行う場合は
略式喪服の他に、黒を基調とした地味な平服を着用してもよいでしょう。
なかには、家族だけで行うのに喪服まで着なくてもという方もいらっしゃるかもしれません。
施主や納骨式に参列されるご家族の間で事前に話し合っておき、
服装についての意見の相違をなくしておくと安心でしょう。
■ 他の親族への連絡・挨拶
納骨式は近親者だけで行うことが多いですが、他のご親族に何の報告もなく
納骨式を済ませてしまうのは少し寂しいものです。
葬儀の際など、事前に一言「納骨は近親者だけで済ませようと思います」と報告があれば、
何の問題もないでしょう。
その際に、私も参列したいというご意向の方があれば、納骨式の案内を出すのもよいでしょう。
特に、本当に身近なご家族だけで納骨を済ませようとされている場合、
その旨の連絡がなかったことで、親族の間でトラブルにもなりかねません。
亡くなられた故人もそんなことは望んでいないでしょう。
誰を呼ぶという決まりがないぶん、親族や故人への心遣いが大切になってきます。
納骨式(法要)を行わない、
僧侶を呼ばずに家族だけで納骨を行う場合
最初にも触れたように、最近は寺院墓地だけでなく、宗旨・宗派不問の民営霊園が増えています。
そういったお寺が管理していない霊園の場合、お坊さんを呼ばずに家族だけで納骨を済ませる方もいるようです。
納骨法要を必ずしないといけないという決まりもありませんから、
故人への敬意の気持ちをちゃんと表すことのできるかたちであれば
仏教儀式などに必ずしもこだわる必要はありません。
しかし、親族の間でそういった方法に理解を得られない場合は避けたほうがよいでしょう。
また、お寺が管理している墓地なら、納骨法要を行わないと関係が悪化してしまう恐れがありますので、
できるだけ避けた方がよいでしょう。
■ 納骨の方法
法要を行う場合は、石材店さんが納骨の作業(カロートを開けてご遺骨を納める)を請け負ってくれることが多いですが、完全にご家族だけで納骨を済ませる場合は、この作業もご家族でしなければなりません。
カロートの蓋を開ければ簡単に納骨できるタイプが多いですが、
お墓のかたちによってご自分では難しいこともあるようです。
お墓の形状を事前に確認し、ご自分では難しい場合は石材店に依頼しましょう。
■ 納骨の流れ
法要を行わない場合、納骨のやり方に決まりはありませんのでご参考までにご覧ください。
- 埋葬許可証をお墓の管理者(お寺や霊園)に提出する
- お墓やお墓の周りを掃除する
- 納骨する
- お花やお線香などのお供えものや、お水をあげる
※こちらは、必ず必要な手順です。
新しくきれいな場合は必要ありませんが、手順として掃除をすると気持ちがいいものです。